「うーん……」
ふたりで歩く道の中、京が突然うなった。
「何うなってんの?」
京はしばらく悩み、空を仰ぐ。
「今日、天気よかね?」
確かに。天気はいいし、快晴で風が温かい。
「そうだね。ピクニック日和」
何気ない返事だったと思う。だけど、京にとっては違かったみたい。
キラキラ目を輝かせている。
「それだっ!」
「へっ!?」
意味がわからない綾は立ち止まる。
「行こうっ!」
「行こうって、どこに!?」
「じゃあ聞くけど! こんな晴れた日に学校行って、真面目に勉強できると思っちょる!?」
……京の考えてること、わかった。
「無理! 綾だったらサボるっ」
京はニカッと笑い、綾の手を引いた。
ふたりで快晴の空の下、駆け出した。



