「10っ!」
京が走り出すと、女子がキャーッと叫びながら散った。
あたしは取りあえず引かれた枠線の端にぽつんと立ってみる。っていっても、校庭ほぼ全部使ってるから、ものすごい端にいるんだけど。
京……足はやっ!
陸が狙われて陽子が狙われて、朋が狙われて、みんな鬼になる。次々に鬼が増えてく様子を、あたしはひとりで傍観していた。
あ……理一が鬼になった。
ぷっ……和也を執拗に追いかけてる。
理一は足が速いから、和也はすぐ捕まってしまった。
「はえーよ理一!」
「お前が全力で走れって言ったんじゃろーが!」
……あれ?
もしかして鬼じゃないのって、あたしだけじゃない?



