「川で遊んでたけーんっ」

「川って……」

「綾まで何しちょるが〜」


陸と陽子が呆れる中、クラスの女子が京に駆け寄ってきた。


「水島くん泥だらけだよっ」

「ああ、綾にやられたけん」

「えっ……綾に?」

「ちょっ、京が先にあたしを川に投げたんじゃん!」

「だからって泥投げることなか!」

「京だってザリガニ投げたじゃん!」

「それは未遂だが!!」

「すべってこけたからじゃん!!」

「ぶっ」


言い争いをしてたあたしと京は、声のするほうを見る。


「くっ……くくっ」

「陸っ、笑いごとじゃないよ!」


珍しく声を出して笑う陸に怒ると、和也がまた怒り出す。


「お前らいい加減にしろっ! 京っ、主役のお前が、んなとこに突っ立ってんなや! この空気どうしてくれるがっ」


気づくと、クラスメートが呆然としてあたしと京の言い争いを見ていた。


は……恥ずかしい……。


「……ごめんなさい」

「よし。京の歓迎会始めんぞー!」


和也が一気にテンションを上げて、教室の真ん中に京を連れてくと、クラスメートは京の周りに集まる。