「京!!」

「ん? ……あっぶねっ!」


あたしは川に手を突っ込んで、泥を掴んで京に投げた。


「泥は投げんなや!」


アホ!と京が怒ってる。


「うるさいバカ!」

「ばっ! やめれ! ごめんて!」


次々投げる泥を避けながら、京は川の中をバシャバシャと逃げ回る。


ていうか泥だから飛ばないし!


至近距離に落ちる泥はあたしにも被害をおよぼした。


「はははっ、バカ!」


京が指を差して笑ってくるから、怒りが込み上げる。


「待てバカ!」


逃げる京を追いかけると、京は突然振り向いた。


「これでもくらえ!」


そう言った京の手には、………ザリガニ!?


「ばっ! ザリガニ投げちゃダメでしょーが!」

「聞こえーん!」