携帯を閉じて玄関を背に振り向き、足を1歩前に出した時。
え……?
家の外壁に寄りかかる人影が見えた。
「………京?」
人影が振り向く。それは間違いなく、京だった。
な、んで……。
呆然と立ち尽くすあたしに、京が困ったように微笑んだ。
「一緒に行こうと思って」
一緒にって……歓迎会?
あたしは声にならず、下を向くしかなかった。
どうしよう……何て言えばいい?
「綾」
ビクッ!と、信じられないくらいに体がはねる。
「……ごめん」
京の声のあと、ジャリ……っと音がして顔を上げると、京は歩き出していた。
「────っ!」
違う。違うの。待って。
行かないで!
「……けぇっ!」
京は立ち止まり、あたしはおぼつかない足取りで2、3歩、踏み出した。
「違うのっ、待って……」
振り返った京は、切なそうに微笑んだ。



