「京と戻ってほしいと、思ってるでしょう……?」
陸の目は見開き、すぐに悲しみを帯びる。うつむいてしまった陸は、まぎれもなく京の親友としての姿だった。
「……俺は、理一とも友達だけど、……離れても親友だと思っちょったから、京に幸せになって欲しいけん」
知ってるの。分かってるの。陽子の気持ちも、陸の気持ちも。
突然いなくなった、会えるかも分からない京と離れた現実は、誰も受け止められていなかった。
あたしも、京の名前しか知らなかった理一でさえも。
そんな中で京が帰ってきたら、4人の気持ちが交差してみんなバラバラになる気がした。
それが怖くて、京が帰ってくると言えなかった。
「綾……今まで通りがいいって、あたしたち話してたが。ここに来るまで」
「……今まで通り?」
「どうすればいいか1番分からんのは綾だって、話してたけん。綾は……人のことばっかり考えちょーね」
陽子が切なそうに微笑むと、陸はいつもの陸に戻っていた。真っ直ぐ、迷いのない言葉をぶつけてくる。



