「……っあたし、帰ってこないでって思ってた……!」
「……何で?」
「だって……っ」
言葉にできないでいると、陸は容赦なく聞いてくる。
「理一が好きだから?」
「陸っ!」
たまらず陽子が止めに入る。あたしはいつの間にか、クッションに顔をうずめていた。
夏だというのに、体中に寒さを感じる。
……違うの。そんなんじゃないの。だって、あたしだけの問題じゃないでしょう?
「……綾、あたしたち、話し合いにきたが。京が帰ってきて、これからどげんするか。綾はどうしちょーのか。遠慮することなんかないけん」
「……っ分かんないの。理一を大切にしたいし、京を思い出にもできない」
「あたしは綾が出す答えなら、幸せになるなら、何でもいいけん」
陽子の温もりに包まれて、その優しさに涙が出そうになる。
「ごめ……ん。ごめんね……」
「何で謝るが」
耳に届いた陸の声が、どことなく申しわけなさそうだった。その声に、陽子から離れて陸を見つめる。
「だって……陸は……」
「俺?」
陸は──…。



