京と離れた現実は、受け止めなければいけない壁だったんだと。
あの時、誰もがそう思っていた。
「いらっしゃい」
「ごめん。遅くなって」
「ううん。上がって」
朋と別れた後、陽子からの電話。「電話で話す内容でもないから、綾の家に陸と行く」と伝えられていた。
部屋に入り、冷たいお茶を出してから3人でテーブルを囲む。
「……ありがとね」
沈黙を破ったのはあたしだった。
「え?」
「あの場から、あたしを遠ざけてくれたでしょう?」
「……あの時は、ああするのが1番だと思ったけん」
「うん。だから、ありがとうって言ったの」
笑って言うと、陸が口を開いた。
「綾、どうしちょー?」
「……どうって?」
「京と、どうなりたい?」
どうなりたい?
付き合いたい? それとも、なかったことにしたい?ってこと?



