「京! 俺っ! 覚えちょー!?」
突然の大声に驚いて、声の主に目を動かした。あたしの、前の席。
「……あ! 和也!?」
「イエース!」
和也が大きく口を開けて、京に向かってピースしている。
助かった……。
ホッとした自分がそこにはいた。
こんないきなり現れられても、どういう顔すればいいか分からないもん……。
「懐かし〜! 元気?」
「元気元気! つーか何で今日!? 普通、夏休み明けじゃろーがっ」
「あ〜。いや、ほら。高校最初の夏休みだけん、明けてから来るより明ける前に来て友達作って遊びちょ〜な〜って思って」
「さっすが〜」
和也と京が和気あいあいと話してるのを、あたしは他人事のように聞いていた。
頭が痛い。京の声が、耳に響く。
耐えきれず、机に肘をついて耳を塞いだ。



