カタン……。 「!」 何かの音で我に返る。 混乱していた頭が、落ち着きを取り戻していた。 ゆっくり顔を上げて、恐る恐る教卓を見ると、先生しかいない。 ……夢、だよね? 溜め息をつくと、先生に名前を呼ばれた。 「三波、遅刻した罰じゃけん。しっかり果たせぇ」 ニヤニヤと意地悪く笑う先生。 「え? 何が」 「水島の世話。頼むで」 先生が横を指差す。 「――……」 右を見ると、漆黒の波が見えた。 それから、甘い甘い蜜のような笑顔。