「早く席に着きんしゃい」 見上げると、先生があたしの携帯を差し出していた。 「……は……い」 携帯を受け取ると、どこにも目を向けず足早に席へ向かった。 窓際の1番後ろ。わがままを言って、ずっとあたしの特等席。 ───ガタンッ。 席に着いた瞬間、自分の腕にうずくまった。 ありえない。 ありえない。 ありえない。 一瞬。一瞬だった。京の姿を見たのは。 本当に京? 同性同名じゃなくて? 他人の空似なんじゃないの? いるはずない。見間違いで、聞き間違いだよ。 きっとそう、絶対にそう。