想像して思わず笑いながら、教室の前のドアを開ける。


「三波! また遅刻かお前は!!」

「ごめ〜ん先生っ」

「綾遅いが〜!」


クラスのみんなに笑われて教室に入ると、担任の横に立ってる人影に気づく。


ガシャン!!


「わっ、綾何しちょー!」

「あ……ごめ……っ……」


手に持っていた携帯を落とした。


体中が、震える。


「ああ。びっくりしたかや?」


先生が言葉を発する。だけどぼんやりとしか聞き取れなかった。


違う。聞き取らなくても、分かっていた。