暗闇の中で、京の端正な顔が蛍の光に照らされる。 淡く輝く京の笑顔が何かの始まりを予感させ、繋いだままの手を、強く、握り返した。 京は今までに逢ったことのないような人。 京は不思議な人……。 無邪気な京。怒る京。明るい京。大人っぽい京。 ──微笑む京。 きっと綾は、京に惹かれてる。 京の周りの不思議な空間に。屈託のない優しい笑顔に。 どうしようもなく、惹かれた。 ……京が、好き。 綾は、ひと筋の涙を流した。 .