―――――――…
「あっれー? 綾は!?」
とても晴れた5月初め。教室から理一の声が聞こえて、あたしはひょこっと顔を出す。
「ここー」
「なぁーにしてんじゃい」
「日光浴〜っ」
「次体育じゃろーが」
ベランダにいたあたしの額を、理一は小突く。
「出な〜い」
笑って言うと、理一は不機嫌そうにあたしの髪を触った。
「またかい……って、何笑っちょるが」
「え〜、別に?」
「なんかやっ」
ふふふっとあたしが笑うと、教室のほうから理一の名前が呼ばれた。
「ラブラブしちょらんと、はよ行くがぁ〜っ!!」
廊下から顔を出して、和也が叫ぶ。
「今行くが〜」
理一はあたしのほうを向くと、頭をポンポンと叩いて体育館に向かった。あたしは何も言わず、笑顔で理一を見送る。
教室から誰もいなくなると、あたしはベランダでひとりぽっちになった。
「……疲れた」
壁に寄りかかりながら、ずるずると座り込む。
ちゃんと笑えてたかなぁ……。



