帰り道、あたしは泣いた。
少し低くなっていた、あの声。
懐かしいような、声の雰囲気だけで京だと分かるあの甘い声が、繰り返し繰り返し、耳の奥で延々と響いた。
声を聞いた瞬間、あんなに思い出せなかった京の顔が、一瞬で記憶に蘇える。
出逢った日の笑顔も、好きだと言われた日の笑顔も、全部全部思い出した。
思い出してしまうから、逢いたくなってしまうから。
だから卒業アルバムを見なかったのに……。
だけど決して、弱くなるつもりはなかった。
ごめん、律兄。
ごめんなさい、京ママ。
どうか許さないで。
どうか気付かないで。
強がったあたしを。
弱すぎる、あたしを。



