───────…
「対抗したけん」
「……バカだね…」
ほんとにバカだよ。こんな真っ赤なハート。
理一の想いが真っ直ぐすぎて、心が痛い。
「……理一のこと、ちゃんと見るから」
「え?」
涙が出そうなのを堪えて、理一に笑顔を向ける。
「付けるよ。これ」
綾は京からもらったネックレスを外して、理一からもらったネックレスを付けた。
「ありがとう、理一。大事にするね」
笑顔で言ったのに、理一は泣きそうな顔をしていた。
「俺……。幸せにする自信はあるけん」
「うん」
「……無理に、忘れようとせんでいいけん」
「……うん」
何で分かるんだろう……。
「ありがと……綾」
ありがとうなんて、綾が言うセリフなのに。
綾がつらい時、一緒にいてくれて。京を忘れられない綾を、強引にでも光へと導いてくれた。
その真っ直ぐさが綾を何度救ってくれたか。理一は知らないでしょう?
「付き合おう」とは口にしていないけど、大事な存在になったのは確かで。
この日から、一緒にいることが明らかに多くなった。
綾はこの日決めたんだ。
変わろうと。
京ばかりの自分を、忘れようと。