欲しいものはなかった。 手に入らないものを望んでいたから。 綾が欲しいもの。 過去に戻れる、力。 「ねぇ……」 綾のか細い声に、理一はしっかりと返答する。 「うん?」 「ハートのネックレスって、わざと?」 「対抗したけん」 ニヤリといたずらっぽく笑う理一に、涙を流しながら笑った。 「……バカだね……」 こんな。 こんな真っ赤なハート。 情熱以外のなんでもないよ。