やめてよ。
理一は抜群のタイミングで、綾が弱ってる時に攻めてくる。
ずるいよ。
「理一はずるい……」
「……好きだけん」
「……京が好きなの」
そうだよ。好きなのに、心が揺れる。
「京を、忘れられんかや?」
言葉にならずに頷くと、不意に理一は箱を手に取る。
「見て」
「見たよ……」
「見て、ちゃんと」
戸惑いながら、それを見る。
真っ赤な、赤一色のラインストーンで形取られた、ハートのネックレス。
京にもらったものとよく似た、だけど、色が違うハートのネックレス。
「俺が、幸せにするけん」
我慢しきれなかった涙が、流れる。
理一の言葉が、胸の芯を熱くする。
「忘れ方なんて、五万とあるけん。想い出にするが、綾」



