「理一……?」
「乗り遅れちゃまずいけん。帰んぞ」
か……え……る。
……帰る?
『いつ帰ってくるか、分からんけん』
律兄が、言ってた。
会えない。そう思った。二度と、会えないかもしれない。
気付けば、呼んでいた。
「けいっっ!!」
……気付いて!
お願いだから、気付いて!!
理一が綾を引っ張る。陸も陽子も目に涙を溜めて、京のほうを見ながらも1番線に向かう。
やだ。
やだよ。
会いたい。話したい。
「京─────っ!!!」
できる限りの声で呼んだ。
叫んだと言ったほうが近いかもしれない。
気付いて。顔を見せて。
一瞬でいいから、あなたを見たいの。
――黒髪が、揺れた。



