「ねー。まだ着かないの?」
「もうちょっとだけん」
いったいどこに連れていく気?
森ばっかりしかない田舎に、見せたいものなんてあるの?
「あ! ちょー待って!! 目ぇつぶって!!」
京の突然の大声に驚きながらも、疑問を口にする。
「何で?」
立ち止まって見つめると、京は手足をばたばたさせながら何か焦ってる様子。
「いーからっ!! もうすぐ着くけんっ! 俺が連れてっちゃるから!」
連れてくって……どうやって?
そう思ったけど、口には出さなかった。
早くその場所に行きたかったから、大人しく目を瞑る。



