「やっぱ学生多かね」
「どれにするー?」
「あれでいーが」
ゲームセンターに大量に置かれたプリ機からひとつ選んで、みんなその機種に流れ込む。
「せまっ」
「さっきじゃんけんで負けた人、お金いれて」
あーだこーだ盛り上がりながらも、何とか1枚撮ることに成功。
「うっわ! 理一、髪明る!」
「俺ヤバかね?」
今さら気付いたのか理一……。
「ホテルで切ろうか」
でき上がったプリクラをヒラヒラさせると、みんな頷く。
「そろそろ帰るかや?」
「そういやホテルに何時まで帰んなきゃダメなん?」
「19時だけん」
「……今19時だが」
…………。
ぶはっ!と、みんなで吹き出す。
「間に合わない〜!」
東京の片隅で、綾たちは笑っている。
周りは知らない人だらけでも、ここが、この場所が、みんなといる今が、何より幸せだと思った。
「帰ろっか」
自分でもわかるくらい、綾はふっと微笑んだ。
幸せだと思ったから。
心から失いたくないと思ったんだ。



