「俺の願いはぁ〜」
「ちょっと!」
「綾が俺に振り向いてくれることだけん」
ああ……。
何であんたってそうなの。
「……言ったから叶わないよ」
「言霊って知っちょー?」
「……それが何?」
「言霊は本当にあるが」
言霊ってあれでしょ。言ったことが本当になるとかそういう感じの。
「……言霊、信じてるの?」
「寺に願ったら、まじで叶うの?」
……ムカついてきた……。
「綾は俺と付き合うが」
理一は真っ直ぐ綾の目を見て、そう告げた。
まるで言葉が生きてるみたいに、何か強い力があるみたいに、理一の言葉に飲み込まれそうになる。
「────っ」
理一はいつだってそう。
綾の気持ちなんて考えなくて、自分勝手で、強引すぎるよ。
「~っ勝手に言ってれば!?」
理一を避けるように、バスへ乗り込む。
……やめてよ。
綾は京が好きなのに。
ダメだよ。



