「「きゃ────!」」
バスから新幹線に乗り継いで、修学旅行先、東京に到着っ。
「長かった!」
「着いたーっ」
「腰イテェ……」
綾のクラスって騒がしいかも。ひとり笑っていると、担任がメガホンを手にした。
「次は浅草寺に行って、それからホテルに行きまーす」
「寺ぁ!? シケるがー」
和也が不満をもらすと、みんなも便乗し出す。
「まあいーじゃん! 明日からほとんど自由行動だしっ」
「しゃーねーなぁ」
綾の言葉に納得した和也は、先頭を切ってバスに乗った。
「お寺かぁ〜。あんま行かないからね、新鮮かも」
陽子に話しかけたのに、別の人が返事を返す。
「願いごとすれば?」
「……理一は何か願いごとあんの?」
そこには黒のニット帽をかぶった理一。
「あるが。1番の願い」
「……ふーん」
「なん? 聞かないかや?」
「……願いごとは人に言うと叶わないんだよ」
理一の願い事が嫌でも分かる……。
だから綾は知らないふり。



