「東京っ!!」
わぁー!!!とクラスが熱気に包まれたのが感じられた。
「やった! 俺東京行きたかったけん! ラッキーッ」
理一がガッツポーズをしてはしゃいでいた。
「じゃあ班決めしてー。3人から8人までだがあ」
そう和也がシメて、それぞれのグループが個々に集まり始める。綾の周りにはもちろん陽子と陸。それから朋と和也。あと理一の計6人の班。
「んじゃ行く場所決めようぜーっ」
理一がウキウキしながらレポート用紙を取り出す。
綾は話し合うみんなを、ただ見ていた。
東京……。
京がいる所に行くの?
京が、いる?
「……や……綾っ!」
「えっ!?」
和也の声に顔をあげると、みんな綾を見ていた。
「ごめん……何?」
「何ぼけっとしちょるけん! どこ行きたいか言えっ」
和也の突然の葛にあたふたしながら、東京に京がいることを考えてすぐ答える。
「郊外!!」
「「はぁっ!?」」
いかに綾が変なことを言ったのか分かるほど、みんなが驚いた顔をした。
「郊外って……アホか」
「郊外じゃ何にもないけん」
「……だよね? あはは……」
綾の謎な言動に、みんな不思議がっていた。
「……確率なんか0に近いが」
「……陸……」
陸はポツリと呟いて、綾を見ると、寂しそうに微笑んだ。
「何かや確率って」
理一がすかさず突っ込む。
あ……。そっか。知らないのかみんな。
「……東京にいるの。……京が」
みんなが綾を黙って見る。たらまず綾は笑ってみせた。
「はは……ごめん、何かビックリして郊外とか言ってみただけ。気にしないで」
郊外なんて言ったことを後悔した。
これじゃあ、京に会いたくないみたいじゃん……。
「ま、綾もそう言っちょるし。さっさと決めるが」
和也がそう言うと、陸も陽子も話し合いを始めた。理一と朋は、まだ不思議そうにしていた。



