「どこのヤンキーかと思った」
「田舎のヤンキーね」
ケラケラ笑う理一を見ていると、根岸さんが身を乗り出す。
「遠恋って何かや!?」
「へっ? あぁ……彼氏ね、引越したんだよね」
「……寂しくない?」
「寂しいよ。でもそれ以上に好きの気持ちのほうが大きいから」
理一がいるのを意識して言うと、理一の視線は綾の首で光る、ハートのネックレスに向けられた。
「……いつもらったかや、それ」
「……いつだっけ……5年生の時かなあ?」
宙を見ながら言ったけど、理一が少し不機嫌な顔になったのが分かった。
「ふーん」
「可愛いけん。そのネックレス。ストーン付いちょって」
「でしょ!? ハートってとこがまたいいでしょ〜!?」
「綾、幸せそう」
そう微笑む根岸さんを見て、なぜか胸が痛んだ。
そう。幸せだよ。
幸せだったもん。
「京に会いたいなー」
「ケイって言うのかや?」
「京都の京で、ケイ」
頷きながら返事をすると、へ〜と根岸さんは感心していた。
「それもらった時は、もう付き合っちょーの?」
「ううん。綾は好きだったけど、その時は普通に親友って感じ」
昔の思い出が頭をよぎる。
「……ハートのネックレスってだけでさ、浮かれて、まるで告白されたみたいって思ったんだよね……あの時は」
そう。すごく嬉しかった。



