「綾〜、おーす」
桜が咲く頃。綾たちは中学3年生になった。
「和也。おはよー」
校門近くで和也は綾の隣に駆け寄る。
「ねー。クラスどうなると思う?」
綾の問いに和也は首を傾げる。
「絶対みんな一緒だよ。綾にはお守りが必要なんだもん!」
「あ。それ聞いたことあるけん」
「もうクラス発表いらないよ」
いい加減、自分が問題児なのを認めました。
「あっやぁ〜!」
いきなり背中がずしっと重くなる。
「重いよ理一!」
振り向かなくても、飛び付いて来たのは理一だと分かる。
「同じクラス〜!」
「知ってるから! 重いから!」
首に絡まる理一の手を叩くと、理一は意地になったのか離してくれない。仕方ないから、そのまま新しい教室に向かう。
綾たちは3年3組。
「おー、綾。はよー」
「理一と和也も〜」
「おはよー」
「あれ? 見た顔ばっか」
教室に入ると、半分以上が2年の時と同じクラスの人たちだった。
「今年もよろしくね〜」
「3年も綾の問題児っぷりに注目だがぁ〜」
そう言って笑うみんなに、綾は少し怒りながらも笑った。
今年も楽しいといいなと思いながら、窓から見える桜に口元が緩む。