『好きだけん』 そう理一に告げられたのは、中2の夏休み。 あれから何事もなかったように話しかけてくる理一に、時折憤りを感じては、哀しくもなった。 秋になって、冬になっても、理一は変わることがなくて。 もしかして忘れていいのかも、と思った時に、抜群のタイミングで“まだ好きだ”というオーラを放ってくる。 また季節が変わっても、理一は綾を待っていた。