京がいなくなって、ただ毎日を平凡に生きていた。 平気な振りをして、元気に振る舞っていた。 「好きだけん」 理一の目ははっきりと、綾の目をとらえていた。 「……理一の気持ちには応えられない」 「……京を待つんかや?」 「理一には関係ない」 花火の音だけがふたりの間に響いた。 「……待っちょれって、言われたかや?」 「言われてないよ。でも約束がある」 「……京の、一生好きでいるってやつ?」 律兄……どこまで話したんだろう。 「そうだよ」 ――ねぇ京、あたしは気付いてた。