「ねぇ、律兄と何を話したの?」
理一は一瞬ためらう仕草をしたけど、すぐに話し始めた。
「綾の彼氏の話」
「……聞きたいなら、綾に聞いて」
「そう思っちょーけど……」
言葉をにごす理一に苛立ち、問い詰めると諦めたように言った。
「綾……絶対、泣くじゃろ?」
理一の言葉に耳を疑う。
「何で? ……理一何も知らないじゃん。綾のことも、京のこともっ」
“泣く”という言葉に反応して、少しキツめに言ってしまった。
「知らないからだが。綾」
意味……分かんないよ。
花火の音と光で、目眩が襲う。
今さら聞いたことに後悔している綾は、ズルい?
「まぁ……いいや」
花火を見ることに集中しようと思ったのに、理一がそうさせてくれなかった。
握っていた手を、強く引かれたから。



