しばらくしゃべって、陽子と遊ぶ約束をして別れた。
「あー、焦ったが」
陽子と陸の後ろ姿を見送っていると、隣で理一がふーっと息をつく。
「何が?」
「手。突っ込まれたら何て言おうかずっと考えちょったけん」
「はぐれないためでしょ」
自然にそう言って、リンゴ飴が食べたいとかそんな会話をしながら、時間を過ごしていた。
「そろそろ時間かや〜」
「はにが?」
リンゴ飴を頬張る綾を見て笑いながら、理一が空を指した。
「花火」
そう言った瞬間、暗闇だった空が光った。
───ドンッ!! ドォンッ!!
「わっ、綺麗〜!!」
夜空に放たれた光たちは、大きな花となって空を彩る。
まるで何かの魔法にかかったように、本当に自然に、さらりと言葉が出た。



