そんなの、知らない。
もう嫌。
京がいてくれれば、変わることはなかったのに。
分かってるよ。
京のせいでも、律兄のせいでも、誰のせいでもない。
これは綾の問題で、みんなは綾のことを見守ってくれてることぐらい知ってるよ。
でもお願いだから、まだ綾をそっとしておいて。
考えたくないの。
綾は、みんなが思うほど強くも弱くもない。
時間が欲しいと思った。
時間が止まればいいと思った。
京に会いたいと思って、京を考えたくないと思った。
矛盾を抱えて泣く夜ばかりで。
理由を探しては、偽り笑う毎日で。
お願いだから、綾のことはほっといて欲しいと感じたこの日。
綾はここまで来ても、知らないふりさえすれば平気だと考えていた。
だけどそんなことは不可能で。
綾の気持ちが中心ではないことに、気付かなかったんだ。



