「言ってることが分かんないよ」
「京だけを見んでもいいってことだが!!」
そう言われると分かっていたのに、いざ耳にするとズキンと胸が痛み、目頭が熱くなった。
「綾、知らないふりばかりせんでいいけん。綾がツラい思いするのなんか、京だって望んでないが」
律兄の言葉に、また涙が流れた。同時に怒りが込み上げてきて、手に持っていた手紙を律兄に投げつけた。
「律兄がそんなこと言わないでよっ!」
怒りで涙が出るのか、悲しくて出るのか、もう分からなかった。
ただ律兄には、そんなこと言われたくなかったよ。
律兄だけは、綾を考えてくれてると思った。綾の気持ちを、分かってくれてると思ってたのに……。
「何で、そんなこと言うのぉ……?」
溢れる涙も拭わず、ただ泣き崩れた。
もう、どうすればいいのか、分かんないよ。
「綾……ごめん。でも、しょうがないが。人の気持ちは……綾の気持ちは、どうすることも出来んけん」
しょうがないんだよ、そう繰り返す律兄の声を、ただ聞いていた。



