そんなこんなで終業式が終わって、放課後。
「りっいちくーん、遊びましょーっ」
予告通り、律兄が窓から顔を出した。
だから、どんだけ暇なのよ! 学校行きなさいよ!
「ちょっと律兄……理一に何すんのよ」
「なんもせんがぁ〜。ちょっと話すだけだもん!」
頬を膨らまして綾を見る律兄。
ぶりっ子してもダメだもん!
そんな綾の心配をよそに、理一が帰る用意を淡々と進めた。
「用意でっきたぁ〜」
理一……何が嬉しくてそんなにご機嫌なの?
「んじゃ綾ちゃんは、夜ごはん、律様の家に来るよーに」
だから、何でそんなに俺様なの?
綾は溜め息をついて、帰る2人に手を振る。
「何で律さんと理一? 面識あっちょーけ?」
陽子がふたりを見ながら言った。
「知らない……。いつもの律兄の暇つぶしじゃない?」
「ふーん?」
何にせよ。夜になれば分かること。