『トップを争うのはどちらも2年生! 1、3年生は遥か遠くです!』
解説が聞こえたけど、綾はただただ1組と5組を凝視する。抜かしたと思えば抜かされる。
陽子→陸→佐々くん→斉藤くん→根岸さんと順調に走り、和也にバトンが渡る。次は綾の番だ。
「かずやっ」
祈るように名前を呼ぶ。
『注目の2年生対決っ、ここで1組が5組を離した!』
「綾っ!」
和也が迫って来る。
「全力で走れよ!」
バトンを渡された。赤い、みんなの思いを表したようなバトンを握り締める。
「任せてっ!」
走った。とにかく走って走って、理一のとこに行くのに必死だった。5組の人は見えなくて、結構後ろにいるのが分かる。
必死に走ってたのに、綾は笑顔だった。すごく楽しくて、理一のところへはあっという間だった。
やばいやばい! 優勝しちゃうっ!!
『2年1組このまま優勝かー!?』
「理一っ」
理一にバトンを差し出す。が、理一はバトンを受け取らない。



