「……だから、やっぱ最後に追い上げるんが盛り上がると思っちょーよ、俺は」
「でもよー。5組のアンカー、陸上部のやつだが」
綾たち1組は体育祭までの放課後、居残り練習。けっこう真面目にやっていて、担任が感動していた。
やっぱり問題は対抗リレー。
「やっぱ綾から理一がベストだけん」
「えっ、綾速くないってば!」
「速いだろーがっ。全員一致の意見だがっ」
そ……そんなに?
「綾、タイム計ったことないんかや?」
理一が聞いてきて頷く。
「うん。ないよ」
「「まじで!?」」
みんなが驚き、綾は再び頷く。
「はっ!? 今まで生きてきて? 一度も!?」
「うん。ないよ」
シラッと言う綾にみんな茫然としている。……陽子と陸以外が。
「何でー? 去年も授業であっちょーよ? 50メートル走」
「あー……」
何でって……病気だから。とは、この雰囲気じゃ言えないんだけど……。
「多分、いっつも学校サボってたからかも」
真面目な顔で言ってみると、みんなは一瞬止まって、
「出たよサボり魔がっ」
「小学ん時からサボりかよっ」
「綾には勝てん〜」
と、口々に話した。
綾はただ笑っていた。陽子と陸は何も言わず、和也も何となく気付いたみたいだった。
理一は、不思議そうにしていた。
運動しちゃいけないわけじゃないけど、いちおうね。念のため休めって言われてたんだよなぁ。
まぁ、最近発作ないから大丈夫でしょっ!



