「かっ、和也!?」
「久々だやーっ」
振り向いた先にいたのは和也。小学5年生の時に同じクラスだった、お調子者。
「うっそ……話すの2年ぶり!? 変わったねーっ!」
和也は髪が伸びてて、茶色く染めた髪を無造作にセットしていた。
「まーねーっ。性格は変わっちょらんよ!」
「あはっ、それは分かる!」
「綾って三波綾……さん?」
不意に名前を呼ばれて、和也から視線を逸らした。新たな視線の先には、さっきまで綾の席に座っていた男の子。
「……は、い?」
「うぁ! 俺、初めてこぎゃん近くで見たが! まじで可愛いのな!」
「…………」
綾は突然のことに固まり、代わりに和也が爆笑した。
「ぎゃははっ、何言っちょるかや!」
「あっ俺、穂高 理一! よろしくっ」
……ほだか、りいち……? あっ!
「綾の前の席?」
「そうっぽい! 理一って呼んでっ。仲よくしてなぁ」
笑った顔が、可愛いと思った。こんなカッコイイ人が同じ学年にいたとは……。
「ちなみに俺が後ろだけんっ」
得意げに和也が言い、怪訝そうにすると、
「村田 和也」
あぁそっか。あいうえお順だから、ほんとに後ろだ……。
「仲よくしよーねっ」
にっこり笑うと、和也も理一も笑顔を見せてくれた。



