───ぎゃはははっ。

綾の席の周りはすごい賑やかで、人が多かった。よく見ると男子、女子が半々ぐらい。


……座りたいんだけどな。


「ごめん。座りたいんだけど、いい?」


その軍団に声をかけると、一斉に振り向いた。


「「…………」」


えっ、何で黙るの!?


「わりぃっ、席ここ?」

「え?」


声を頼りに顔を向けると、たしかにそこは綾の席だった。


「あ、うん。ゴメンね話し中……に……」


綾の席に座っている人に驚いた。


「いやこっちこそ〜」


そう言って、その人は綾の席から立ち上がる。


「どーぞー」


ニコッと笑うその人は、まるで律兄みたい。背が高くて、色も黒い。長めの黒髪に金のメッシュが入っていた。


スポーツマンみたいで、制服もだいぶ着崩していて、顔もなかなかカッコいい。


第一印象は……絶対モテる。


椅子に腰掛けようとカバンを机に置くと、突然後ろから名前を呼ばれた。


「綾っ、同じクラスかや!?」


ん? ………!!