「ふっ……綾の青春て……」

「途方に暮れちゃったが」

「陸っ!」


淡々と話す陸に、突っ込む陽子。


……お似合いだよ、すごく。


「……お幸せに」


ポツリと言うと、ふたりとも恥ずかしそうに笑った。


「……内緒にされてたのはムカついたけど、ふたりが付き合ったのは、すごい嬉しいよ。ほんとに」


陸がおもむろに綾の頭を撫でてくる。


「綾……無理せんでいいが」


陽子はティッシュを取って渡してくれた。


「……うっ……うぇ……」

「ほんと、京は何しちょるんだかぁ〜」

「愛想尽かされても、あいつは文句言えないけん」

「京のバカァ〜〜!」


……京。陽子と陸がやっと付き合ったよ。直接おめでとうって言いに来てよ……。


「うっ……京のバカヤロ〜」


その日はずっと、陽子と陸が綾を慰めてくれた。



相変わらず京からの連絡はないまま、賑やか1年が終わろうとしていた。