「彼氏できたはいいけど……キス下手だって言われたくないけん、綾ちゃんに聞くしかないと思っちょって……」
「あたしもっ。下手って言われちょーないけん、教えてっ」
あたしも、あたしも!と次々言われて、綾は戸惑い、陽子たちに視線を送る。
が、ん、ば、れ。
あは……口パクのみ……。
「ていうか……えーと。彼氏も理香が初めての彼女なら……別に気にしなくても……」
理香の顔が真っ赤になった。
「あたし、3年生と付き合っちょるけん……」
真っ赤になりながら理香は言う。可愛い……ていうか理香って、可愛い! うん。年上ウケしそうな顔。
「そっか、うん……説明しにくいなぁ」
「やっぱ綾ちゃんもしちょるんだ!」
別の女子に言われ、ぼっ!と顔が赤くなる。
「りっ、理香っ、ちょっと!」
綾は理香だけを連れて、廊下に出た。
「綾の場合だけど……」
こっそり耳打ちをする。
「えっ……」
理香は真っ赤になりながらも、頷いた。
「綾ちゃん……大人……」
「はは……綾でいいよ」
「ありがとう、綾っ」
理香は笑顔で教室に戻った。
まさかキスの仕方を、人に教えるとは……。



