――──…
彼氏の京はこの町にいない。だからみんな信じてくれない。
律兄は、綾の彼氏じゃないっ!
「はあぁ〜」
「そぎゃん落ち込むなや〜」
相変わらず唐突に中学を訪れる律兄。
だから誤解されるんだよっ!
「今日も彼氏迎えに来てるよ〜とか言われたし……違うって言ってるのに信じてくれないし……」
「事実にすればいいけ~ん」
「……」
「そんな恐い顔すんなや〜。綾だって彼氏いるって言っちょーに、信じてもらえんからいまだに告られちょるんじゃろー?」
そう。綾はいまだに告られる。ここまで告られちゃうと、知らんぷりできない。
人生に3度あるモテ期、第1期なのだ。……すごい……。
「……聞いちょる?」
「え? 何?」
「いや……。まぁ、この律兄様が? ひと肌脱いであげましょうか?」
ニコッと笑って去っていく律兄は、やっぱりどことなく京に似てた。
ひと肌脱ぐって……何をする気?



