────ドルンッ。
「はい到着〜」
「……」
無言でヘルメットを律兄に返す。久しぶりの、京の家。
律兄はヘルメットをハンドルに掛けると、玄関を開けて家に入っていく
「たらいまー」
気まずい……。
下を向いて、入ることを拒んだ。
どういう顔すればいいの? どうしたらいい?
「……母ちゃーんっ、お客さん!」
「っ律兄!」
「はいはい、どなたー……」
京ママの声がして咄嗟に下を向く。
「……綾ちゃん」
京ママの声で分かる。
泣いている……。
たまらなく、顔を上げた。涙が出そうになるのをグッと堪えて、歯を食いしばる。
何も変わってない。少し、髪が伸びてる。
「……いらっしゃい!」
泣くのは嫌だった。だけど強がることも、疲れた。
「綾……自然にしちょれよ」
律兄の言葉は、いつも綾を救うね……。
「……お邪魔、します」
歯を食いしばるのをやめた。



