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――ねぇ、京。あたしは気付いてた。
あの手紙に書かれた約束に、誓いに、“一生好き”という“綾”の誓いは、一切なかったね。
それが京の優しさ。綾を大事にしてくれてると感じた。
だけど同時に、自分が哀れでもあった。
『待っててと言わん男が、綾を幸せにできるなんて俺は思わんが』
“待ってて”
そう、言われなかった。
京は綾を信じてくれなかったんだと、そう思った。
それでも愛すのは君だけで、そんな自分が哀しくて仕方なかった。
『忘れ方なんて五万とあるが。思い出にするけん、綾』
君を忘れたほうが、楽かもしれない……。
《──元気?──》
あんなに愛されたのに、ごめん。
『さよなら……京』
……ごめんね……。
【第2部:繋ぐのは想い】