律兄たちとゲームをして、笑ったり怒ったり、悲しんだり泣いたりして、とても楽しい時間を過ごしたけど、夜になって夕食の時間になっても、京は帰ってこなかった。
「京、遅いね~」
京はここ最近ずっと綾と遊んでたし、小学校の友達と遊ぶ時さえも、綾を連れ回したのに。
変なの……どこ行ったんだろ……。
「飯にしよー。腹減ったが」
「……そうだね……ご飯にしよっか、お母さん」
律兄と直姉の言葉に京ママは反応せず、ソファーに座って俯いていた。
「……京ママ、やっぱり具合悪いの?」
ためらいがちにそばに寄ると、京ママは泣いていた。
「え……律兄っ……。京ママ泣いてる……」
そう言ったのに、律兄は微動だにせず視線を床に落としていた。直姉さえも、そうしていた。
「……もう、やめましょう」
「……京ママ……どうしたの?」
ただならぬ空気を感じた。
京ママは涙を流して、綾を抱きしめる。
「ごめんね、ごめんね……っ」
どうして謝られたのか、まったく分からなかった。
「もっと……早く言うべきだったけん……」
どうしていいのか分からず、律兄たちのほうを見る。律兄はひどく悲しい顔をして、綾を見つめていた。
「……お母さん……落ち着いて……」
直姉が言うと、京ママは綾から離れて涙を拭い、きちんと座り直した。
「綾も……座って」
律兄に言われ素直にソファーに座ると、沈黙が流れる。
「綾ちゃん……落ち着いて聞いてほしいけん」
直姉は優しく言ってくれたけど、見えない不安が押し寄せる。
「はい……」
何なんだろう……綾、何か悪いことしたのかな……。
「回りくどい言い方はせん。はっきり言うけん」
律兄が真剣な面持ちで言う。深呼吸をして、律兄が発した言葉に耳を疑った。
そんなこと、あるはずがない。



