「……約束……覚えちょー?」
そう呟いた京の瞳には、何とも言えない情熱と光りが輝いている。そんな気がした。
約束……。
「去年の冬のこと?」
京は黙って頷き、体を起こして綾を隣に招き寄せた。
「……ずっと一緒におる。守っちゃる。俺が綾にとって何よりも大きい存在になっちゃるけんって、言うたが」
「……うん。ちゃんと覚えてるよ」
京の漆黒の瞳が、綾をとらえる。
自分のほうに向けられた京の体に合わせるように、綾も体の向きを京のほうに向けた。京は静かに微笑んで、綾の手を握る。
「綾が好きだけん。何よりも大事だけん。こんなに好きになっちょーこと、自分で気付かんかったが」
「……うん」
「俺の気持ちも約束も前と何も変わっちょらん。離れたって、これっぽっちも変わりもせん。そんぐらいの想いだけん」
「……綾だって同じだもん……」
ジンワリと、涙が浮かんでくる。
だから、恥ずかしいこと言わないでって、言ったのに……。
でも、もう言えない。恥ずかしくても、嬉しさが勝るから。
「綾。何があっても好きだが。俺の幸せは、綾の存在」
「な……なんでそんな……うっ……泣けること言うのお?」
「じゃあ……一生涯変わらない、約束」
京が小指を立てる。その指に、ゆっくりと自分の小指を絡めた。
「絶対、忘れんで」
綾は、京に泣かされっぱなしだね。
「絶対、忘れない」
その言葉だけは、京をきちんと見て言った。
京の笑顔がそこにあった。綾の大好きな優しい笑顔。
口角が上がって、目尻が下がって、その瞳で綾を見つめる。
こんなに好きな人、二度とできない。
本気でそう思った。



