────…
もうすぐ中学生。この日、残り少ない休日を京の家で過ごしていた。
「……ほぼ入り浸り?」
首を傾げながらボソッと言うと、隣で本を読んでいた京が視線を綾に移してくる。
「ん?」
「いや……ほぼ毎日京の家にいるなぁ……と思って」
「……俺、そんなに呼んどるかや」
「それに……京、最近甘えんぼ」
京は目を見開いて、しばらく宙を見てから本をテーブルに置いた。
「……少しでも会ってたいけん」
「……ヤダッ!」
「えっ!? 何がかや!?」
「小学生のくせにそんな恥ずかしいこと言わないでぇ〜」
顔が火照る。綾はいつだって京の虜だ……。
「っても、もう卒業したが」
「でも、まだ中学生でもないじゃん」
「……じゃあ今はただの子供だが」
「子供は子供らしく生きるんだよ、京っ」
「俺は早く大人になりちょー」
京はベッドに寝転がり、天上にある大きな窓の外を見ていた。
「早く大人になりたい……」
もう一度だけ言うと、京は目を閉じた。
「……」
京が目を閉じた先に、何が映ったんだろう。
何を見て、何を考え、何を感じたんだろう。
京はそっと、目を開けた。



