……この声。
1週間は経っていただろうけど、不思議と確信が持てた。
顔を上げると、教室のドアの前に日に焼けて黒くなった男の子が立っていた。
「京ーっ!」
「何初日から遅刻してるがぁ!」
「おはよー!」
やっぱり、と思ったのと同時に、急に教室の雰囲気が明るくなった。
クラスメートはみんな笑顔になり、女子は嬉しそう。男子の中には立ち上がる子もいた。
あんな人懐っこい笑顔を見せられて、嫌いになる人もいないんだろうな。
きっと、クラスの人気者……。
そんなことを考えていると、人気者がこちらを見た。
ドキンと鼓動が鳴って、ふたりの視線が絡み合う。