「卒業おめでとう。京」
確かに聞こえた声。振り向いたその先には律兄と、京の待ち焦がれた人が立っていた。
「──直……姉?」
「ただいま」
フワっと笑うその女の人は、目に涙を溜めた京を抱き締めた。
京と同じ黒い髪はショートカットで、京ママに似た可愛らしい人。
「会いたかったけん、京。元気にしちょった?」
「元気だけん! 直姉こそ……病院は!?」
「退院したけん。元気になったから」
「俺、そんなこと聞いちょらん……」
京が戸惑ったように両親を見ると、お姉さんはクスクスと口元を手で覆い、微笑んだ。
「あたしが京をびっくりさせたかったけん。卒業サプライズ」
「……ホントにもう、良くなったかや?」
「うんっ」
どこから見ても健康そうな華やかな笑顔に、京は涙を流した。
ずっと会いたかったお姉ちゃんに、会えたから。
よかったね京……。



