「「「おめでとお────!!」」」
12歳、小学6年生。今日は卒業式。
「いやーっ、早かったあ〜」
卒業式が終わり、もう来ることのない教室で、それぞれが思い思いの時を過ごしていた。
「6年間ありがとー!」
「綾は3年間ありがとー!」
陽子に続いて綾も叫ぶ。
「これからもよろしくね、綾っ」
「もっちろん!」
笑顔でピースを返すと、陽子は花が咲いたように笑ってくれた。
「京たちは?」
「男子たちとあっちで写真撮っちょーよ」
「写真!? 綾も撮る! 混ぜて〜!」
教室のど真ん中で騒ぐ京たちの中に突進すると、テンションの高い男子たちは心良く受け入れてくれる。
「おー! 撮ろ撮ろ!」
「綾は京の隣だが〜っ」
「つか、みんなで撮るべ!」
「みんなー! 写真撮ろーっっ!!」
教室全体に散らばるクラスメート全員に聞こえるように声を張り上げると、わぁーっとクラスが一気に盛り上がる。
「詰めて詰めて!」
「先生〜撮ってぇ〜!」
「はいはい、撮るけん。もっと詰めぇ」
黒板の前に集合した綾たち。先生がまだ入らないとボヤいて、隣で「先生早くー」と笑ってる京の腕をつつく。
「ん?」
「最高の笑顔で笑ってね!」
「ははっ。何かやソレ!」
「だって、小学最後だしっ」
「そっか……最後だけんね。笑うかっ」
「うんっ」
「よしっ、入った! 撮るが!」
やっとみんながレンズの中に納まったらしい。先生の声で、騒いでいたみんなもちゃんと並んで、カメラのレンズを見つめた。
「卒業ー?」
「「おめでとー!!」」
言い終えたと同時にシャッターが押された。きっといつまでも忘れることのない、幸せな、一瞬。
「ちゃんと焼き増ししろよー!」
「んじゃ解散!」
「また中学で〜っ」
みんなの笑い声がクラスに響いた。



