「京、最近学校来んねー?」
「ね……」
陽子の言葉に、綾は少しふてくされて答える。
ここ最近、京は学校に来てない。しばらく一緒に登校できないから、待たないで先に学校行けと言われ、今日に至る。
「もう3日も会ってないよっ!」
「え? 昨日会いに行ったんじゃないのかや?」
「……家にも入れなかった」
「捨てられちゃったかや?」
クスッと綾の後ろで声がした。
「……は?」
振り向くと、そこにいたのは郁子。肩まである黒い髪を耳にかけて、いじめっ子みたいに笑っていた。
「追い帰されたんかや? それともフラれた?」
「悪いけど、ラブラブだからご心配なく」
「どうかや」
ちょっと……何なのよっ。
「何が言いたいわけ?」
「……京はあんたに飽きちょーよ。さっさと身を引いたらどうかや?」
「綾、京に嫌いなんて言われたことないんだけど」
「うちだってないけん」
っの! 郁子がぁ!
湧き上がる怒りを口にしないように、郁子を睨む。
「彼女が何で家に入れてもらえんのかや〜」
「京のお兄さんが風邪だって言ってたもん」
「それで普通、追い帰されるかや?」
……確かに……。
昨日はどこか不自然だった。玄関に出てきた律兄は何となく、焦っていた気がする。



