階段を上り京の部屋のドアを開けた。
「けーっ……とと…」
慌てて口を塞ぐ。京が、机にうつ伏せになっていたから。
寝てる……よね?
そろーっと近づくと、机の上にはたくさんの本が置いてあった。
……何だろこれ。
何気なく手に取ってみると、目を疑った。
教材!? 京……勉強してるの?
パラパラとページをめくると、意味不明な数字が並んでいた。
関数……確率……?? こんなの習ってないけど!
「ん……」
「!!」
急いで教材をもとに戻すと同時に、京が顔をあげた。
「お……おはよ?」
京は前髪を掻き上げて、まだボーッとしている。
「綾……」
フワッと笑う京に、胸が高鳴る。
カッ……カッコいい。綾はこんなにかっこいい人と付き合えてるなんてっ。
「京、勉強してんだねえ」
京の笑顔に癒されながら言うと、京はものすごい勢いで教材たちを吹っ飛ばした。
「えぇ────!?」
「うんまあ暇な時たまに」
いやいや……すっごい棒読みだよ?
「……さっき、律兄に会ったよ」
「あぁ……オレンジのバカね」
「バカ! 京ママもね、あんなんで弁護士になれるのかしらーって言ってたよ」
「ふはっ! 確かに」
…………。



